「しんどい」と感じるときに

断れない人の3つの心理と、そこから抜け出すための視点

「しんどい」と感じるときに

あなたは、人からの頼みごとやお誘いを
断るのが苦手だと感じることはありませんか。

「断る=相手を傷つけること」
「断る=関係を悪くしてしまうこと」
と結びつけて考えていると、
断ることは、ただの意思表示ではなく、
関係を揺るがすような行為に感じられてしまいます。

私自身も、
できれば断りたくないと思うタイプです。

ただ、
「できれば断りたくない」
「断ることができない」は、実はまったく違います。

自分を後回しにし、無理を重ね、
追い込まれてしまう状態が続くと、
それは結果的に、自分で自分を苦しくしている形になります。

では、なぜそこまでしてしまうのでしょうか。

断れない人に多い3つの心理

「断れない」背景にある代表的な心理は、次の3つです。

1. 相手をがっかりさせたくない

せっかく頼ってくれたのに。
誘ってくれたのに。
断ったら、相手をがっかりさせてしまう。

そう感じるのは、とても自然なことです。

ただ、このタイプの人は、

  • 機嫌を損ねるのでは
  • 関係が悪くなるのでは
  • 人が離れていくのでは

といった不安が、強く結びつきやすい傾向があります。

「がっかりさせること」への罪悪感が、
過剰に膨らんでいる場合もあります。 

2. 役に立って、喜んでほしい

頼まれたことをする。
誘いに応じる。
それによって相手が喜んでくれる。

これも、誰にでもある大切な気持ちです。

ただし、
自分をすり減らしてまで引き受けてしまうところまでいくと、
話は変わってきます。

この背景には、

  • 喜ばせられない自分への無力感
  • 役に立てない自分への罪悪感

が、根強く残っていることがあります。

3.「できない」「苦しい」と言えない

このタイプの人は、

  • できない人だと思われたくない
  • 役に立たないと思われたら終わり
  • 弱音を吐いてはいけない

という思いを抱えやすい傾向があります。

いわゆる
「私は大丈夫です」と言ってしまうタイプ。

完璧主義の方にも多く見られます。

人を頼らずにここまでやってこれた人ほど、
この傾向になりやすいです。

「人にお願いできない」と「断れない」は表裏一体

実は、断るのが苦手な人は、
人にお願いするのが苦手な傾向があります。

  • 人にお願いできない
  • 人からの頼みや誘いを断れない

この2つは、
別々の悩みに見えて、
実は表裏一体の関係にあるのです。

自分が無理をしてでも
断れない人は、

相手も同じように、
本当は無理をしていても
断れないのではないかと考えがちです。

だから、人に頼むことを躊躇してしまうのです。

そして、頼み事を引き受けてもらった後も、
無理をさせてしまったのではないか。
そのことで、自分から離れていくのではないか。

そんな不安が出てくることがあります。

また、相手からお願いされた時にも、
どこかで、自分だったらどう感じるかを
重ねて見ていることがあります。

自分にとって、
人にお願いするハードルが高いほど、

相手が自分にお願いしてくるのは、
よほどのことだと感じてしまう。

そして、そんな思いで頼んだことを断られたら、
自分なら、かなりショックを受ける。

だから、頼まれたことを断れない。
相手に、そんな思いをさせたくない。

そう思ってしまうのです。

しかし、
断れない。
頼めない。

この状態では、いっぱいいっぱいになるのも無理はありません。

まず大切にしてほしいこと

まず大切にしてほしいこと

ここまで読んで、
「自分のことかもしれない」と感じた方へ。

まず大切にしてほしいのは、
断れない自分を責めなくていい、
ということです。

断れないことを、
意志が弱いから、
性格の問題だと
思ってきた人もいるかもしれません。

でも、それは少し違います。

これまでの人間関係の中で、
そう振る舞うことで関係を保てると感じ、
そのやり方を守ってきたのです。

むしろ、
ここまでそのやり方で関係を守ろうとしてきた自分を、
少し労ってあげてほしいところです。

なぜ、限界まで頑張ってしまうのか

断れない人は、
これまでの人間関係の中で、

「人の期待に応えることで、関係は続いていく」
「期待に応えられなければ、関係が悪くなる」

そんなふうに、実感として、
人との関係が見えてきたのかもしれません。

そのため、

断らずに引き受ける。
自分のことは後回しにする。
なんとか一人で抱え込む。

そんなやり方が、
無意識のうちに当たり前になっていたのです。

これは、
気づかないうちにできた「型」のようなものなのです。

断ることだけでなく、断った後の空気も怖い

断れない人にとって、
不安なのは「断る」ことそのものだけではありません。

断った後に、
相手ががっかりするかもしれない。
空気が悪くなるかもしれない。
その後、どう振る舞えばいいかわからない。

そんなふうに、
断った後の関係や空気まで想像して、
不安が大きくなってしまうことがあります。

だから、
本当は断りたいと思っていても、
その後の気まずさを避けたくて、
つい引き受けてしまうのです。

「断る」の意味づけを、少しだけずらしてみるとしたら

断ることは、
必ずしも「関係を壊すこと」ではありません。

無理なときにきちんと断ってくれる人の方が、
かえって頼みやすい、と感じる人もいます。

なぜなら、
その人が引き受けてくれた時に、
「本当に大丈夫なんだな」と思えるからです。

また、自分がお願いやお誘いをして、
相手から断られる経験をすることも、
大切な学びになることがあります。

断られるのは、もちろん残念です。

でも、
言い方や伝え方によっては、
残念ではあっても、納得できることがあります。

「ああ、こういう伝え方なら受け取りやすいんだ」
「断られても、こんなふうに言ってもらえると安心できるんだ」

そんなふうに、
自分が断られる側を経験することで、
自分が断る時の伝え方も
少しずつ学んでいけることがあります。

最後に

ここまで見てきたように、
断れない背景には、

相手をがっかりさせたくない。
喜んでほしい。
できない、苦しいと言えない。

そんな思いが関係していることがあります。

そして、その奥には、
人の期待に応えることで関係を保とうとしてきた、
これまでの心の働きがあるのかもしれません。

だから、断れない自分を
責めるところではありません。

ただ、そのやり方だけで頑張り続けると、
自分のことを後回しにし、
一人で抱え込み、
限界まで無理をしてしまうことがあります。

大切なのは、
いきなり上手に断れる人になることではありません。

まずは、
断ることを「関係を壊すこと」と決めつけすぎていないか。
相手の期待に応えることだけが、関係を続ける方法になっていないか。
自分の本音や限界を、どこかでなかったことにしていないか。

そこに少しずつ気づいていくことです。

断ることは、
相手を否定することではありません。

自分の限界を伝えること。
今の自分にできることと、できないことを分けること。
そして、自分も相手も無理をしすぎない関係をつくっていくことでもあります。

頭ではわかっていても、
実際の場面になると、どうしても断れない。
断った後の空気が怖くなる。
相手が離れていくように感じてしまう。

そんな時は、
その反応がどこから来ているのかを
一緒に整理していくこともできます。

自分軸カウンセリングでは、
今のお悩みを入り口にしながら、
断れない背景にある心の仕組みを
一緒にひもといていきます。

そして、
相手の期待だけを基準にする関わり方から、
自分の本音や限界も大切にしながら、
人と互いに支え合える関係へと
進みやすくしていきます。

  

断れない・頼れない背景をさらに知りたい方へ