「しんどい」と感じるときに

「被害者意識かも」と感じるあなたへ|心の仕組みと、少し楽になる視点

「しんどい」と感じるときに

「被害者意識」という言葉を聞いたことがありますか?

この言葉は少し強く、
「被害者意識がある」と言われたら、
責められているように聞こえるかもしれません。

けれど実際には、

「責められそう」
「嫌なことを強いられそう」
「大切にされていない気がする」

被害者意識とは、
そんな不安が続くなかで、
自分を守ろうとして、
相手を警戒し、身構える心の姿勢です。

それは、これまでに、
実際にそうされた経験から
身についた反応であることが多いものです。

この記事で扱うのは、
過去の経験から、
今の人間関係でも、

「また、ひどいことをされるのではないか」

と身構えてしまい、
だからこそ、そうされたと思いやすい
そんな状態です。

この記事では、
被害者意識と呼ばれる状態の
心のしくみと、
なぜ人間関係にすれ違いが起きるのかを整理します。

そして、この反応から自由になり、
自分の感覚を大切にしながら
人と関わっていくために、
大切なことをお伝えします。

被害者意識として表れやすい3つの感覚

1.「やらされる」感

「やらされる」感とは、
実際に「やれ」と言われて行動することだけを指すわけではありません。

相手が望むようにしないと、
機嫌が悪くなったり、
嫌な思いをさせられたりした経験から、

言葉で指示されなくても、
相手が望むことを選ばされているように感じることも含まれます。

そんな関わりが続くと、
他の人と関わるときにも、

人の期待に応えないといけない、
逆らったら嫌われるかもしれない、

そう感じて、
相手が望みそうなことを察して動くようになります。

すると、
周りからは自分の意思で選んでいるように見えていても、
本人は「自分で選んでいる」という感覚が乏しくなり、

どこかで、
選ばされている、
強いられている、
と感じてしまうのです。

2.「責められる」感

何かうまくいかないことが起きたときに、
「きっと私が悪いと思われている」
「また責められるに違いない」
と感じてしまう感覚です。

また、
やらされたと感じながらしたことにまで、
文句を言われる。

一方で、
しなかったことに対しても
「なぜ、しなかったのか」と責められる。

そんな日々を重ねていると、
何をしても責められる、
という感覚が強くなっていきます。

すると次第に、
どう動いても正解がないように感じ、
身動きが取れなくなっていきます。

なぜなら、
「どうしたら責められないか」
「どうしたら文句を言われないか」
という、周囲の基準を軸に考えるようになるからです。

けれど、その基準ははっきりしないため、
考えれば考えるほどわからなくなり、
身動きが取れなくなっていきます。

3.「大切にされない」感

「大切にされていない」感とは、
相手が期待したように応えてくれなかったときや、
自分よりも他のことを優先されたと感じたときに、

「軽んじられた」「愛されていない」
と受け取ってしまう感覚です。

これまでに、
自分の気持ちや望みを後回しにされたり、
大切なことを軽く扱われたりする経験が重なると、
相手の小さな言動にも、
「また大切にされなかった」と感じやすくなります。

また、本人の中では、
気持ちを言わなくても察してもらえること、
いつも自分を気にかけてもらえること、
相手が自分のことよりも、自分を優先してくれることが、
「大切にされている」証しになっている場合もあります。

そのため、相手なりに大切にしていても、
それでは足りないように感じてしまうことがあるのです。

こうしたことは、
本人自身が、相手を大切にするために
してきたことでもあります。

だからこそ、
相手から同じように返ってこないと、
「私は大切にされていない」と感じやすくなるのです。

「こんな私にされた」という思い

また、大人になってから
強くなることのある感覚として、

「こんな私にされた」感があります。

親に押さえつけられたり、
言うことを聞かされたりしてきたと感じ、
以前から反感や恨みを抱えている人もいます。

また、
親や家族も大変だったのだからと理解し、
自分が支える側に回ってきた人が、

心理学を学んだり、
カウンセリングを受けたりするなかで、

その中で自分が引き受けていた負担の大きさに
気づくこともあります。

すると、

「この人のせいで、こんな私になった」
「あんなふうに育てられなければ、
 もっと違う人生だったはずなのに」

という怒りや悔しさが、
強くなることがあります。

それまで見えなかったものが見えてくることで、
そこから抜け出していく過程では、
自然に起こることもあります。

けれど、
過去の影響に気づくことは、
この先も過去に決められ続けるためではありません。

これからは、
自分で選んでいけると気づくことが、
自分らしく楽しい人生を
少しずつ取り戻していくきっかけになるのです。

人間関係ですれ違いが起きるしくみ

被害感覚が強い状態が続くと、
常に緊張や不安を抱えたまま人と関わることになります。

そのため、
相手の言葉や態度を
本来とは違う意味で受け取ってしまったり、

自分を守ろうとした反応が、
相手とのすれ違いにつながってしまうことがあります。

1.「やらされる」感があると、すれ違いが起きやすくなる

「「やらされる」感が強いと、
本人の中には、不満やストレスが少しずつ積み重なっていきます。

人からは、自分から進んでやっているようでも、
本人の中では、

「やれを言われているような」
「言われていないけど、相手が望むようにしないと」

気がして、やっているからです。

そこには、

「人の言うことに従わないといけない」
「人に合わせないといけない」

という思い込みが背景にあります。

そんな中で、
自分の希望を伝えたり、
「これくらいは察してほしい」と思ったりしたときに、

それが受け入れてもらえないと感じると、

「私はこんなにやってきたのに、
 私の希望は受け入れてもらえない」

という思いが、一気にあふれてしまうことがあります。

これは、相手にしてきた分を全部、返してほしいと言うよりも、
本人にとっては、ささやかな、でも譲れない大事な希望だからこそ
なのですが、

相手から見ると、
突然怒りをぶつけられたように感じたり、
なぜそこまで怒っているのか理解できなかったりします。

その反応が、相手とのすれ違いにつながってしまうことがあるのです。

「責められる」感があると、すれ違いが起きやすくなる

「責められる」感が強いと、
相手は責めるつもりではなくても、

「きっと私が悪いと思われている」
「また責められるに違いない」

と感じてしまうことがあります。

その不安に耐えきれず、

「どうせ私が悪いって言うんでしょ!」
「私が悪いって言いたいんでしょ!」

と、相手を責めるような言葉が
先に出てしまうこともあります。

さらに、その感覚が強くなると、

「だったら言うけど!
 あなただって、私にこんなにひどいことしてるのよ!」

あるいは、

「私は、あなたのためを思って
 こんなにしてきたのに!」

と、これまで我慢してきたことや、
自分なりに頑張ってきたことを、
一気に伝えてしまうことがあります。

これは、
嫌われたくない、
関係を壊したくない、

という気持ちから、
自分を守ろうとする反応でもあります。

「私が悪い」とされる前に、

「あなたにも問題がある」
「私はこんなに頑張ってきた」

と伝えることで、
「私はあなたとの関係を大切にしてきた」
ということをわかってほしい。

だから、これで離れていかないでほしい。。

そんな願いが、
防御という形で表れているのです。

けれど、相手から見ると、
そもそも責めているつもりはなかったのに、

突然責められたり、
頼んでもいないことを恩着せがましく
言われたように感じたりします。

その結果、

「いきなり責めてきた人」

に映ってしまうことがあります。

こうした行き違いが、
お互いの距離を広げる
きっかけになってしまうことがあるのです。

3.「大切にされていない」感があると、すれ違いが起きやすくなる

「大切にされていない」感が強いと、
相手の言葉や行動を、
「大事にされていない証拠」と受け取りやすくなります。

本当は、

「寂しい」
「悲しい」
「わかってほしい」

という気持ちがあるのに、

それをうまく伝えられず、
不満や怒り、
拗ねた態度として表れてしまうことがあります。

一方で、相手は悪気があったわけではなく、
そこまで察することができなかったり、
そこまで大事なこととは思っていなかったなど、

「大事じゃないから」という深い意味を
持っていないことも少なくありません。

そのため、

「そんなつもりじゃなかった」
「どうすればいいのだろう」

と戸惑い、

やがて、
「自分には無理かもしれない」
と感じて、
少しずつ距離が生まれてしまうことがあります。

本人は、
「もっと大切にしてほしい」
という願いを伝えているつもりでも、

相手には、
責められているように受け取られ、
すれ違いにつながってしまうことがあるのです。

被害感覚が強いと、立場が逆転してしまうことがある

ここまで見てきたように、

被害感覚が強い状態では、
本人は自分を守ろうとして反応しています。

けれど、その反応が強く出ると、

相手からは、
責められたり、
感情をぶつけられたりしたように
受け取られてしまうことがあります。

すると、

本来は傷ついていたはずのあなたが、

結果として、
相手を責めたり、傷つけたりする立場に
なってしまうことがあります。

それだけ、
人との関係の中で傷つき、

「もう二度と同じ思いをしたくない」

という気持ちが、
強く働いているからです。

けれど、
こうしたすれ違いが重なると、

相手は少しずつ距離を取り、
そのことで、あなたもまた傷つきます。

その結果、
次の人間関係でも身構えやすくなり、
同じようなすれ違いを繰り返してしまうことがあるのです。

被害者意識から距離をとるために

被害者意識は、ダメだ。
感じないようにしなくては。
と、被害者意識や反応そのものを、
無理に止めようとする必要はありません。

逆です。

まずは、

「今、やらされている感じがしているな」
「責められているように感じているな」
「大切にされていないと感じているな」

そんな自分の感覚に、
気づいてあげることから始めてみてください。

その感覚は、
これまでの経験の中で身についた、
自分を守るための反応であることが多いものです。

だからこそ、
反応してしまう自分を責める必要もありません。

実際には、

「またやってしまった」
「本当は、こんなふうに言いたかったわけじゃないのに」
「どうして私は、いつもこうなってしまうんだろう」

そんなふうに、
自分を責めている人も少なくありません。

大切なのは、
反応を止めようとすることではなく、
その反応の背景を、丁寧に見ていくことです。

信頼できる人や専門家と一緒に整理していくことで、
一人では見えにくい心の動きも整理しやすくなります。

その中で、新たな視点や気づきを得ることで、
これまでとは違う関わり方を、
少しずつ選べるようになっていきます。

よろしければ、私と一緒に見ていくこともできます。

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さらに理解を深めたい方は、こちらの記事もご覧ください。