生がうまくいかない
立ち行かないように感じる
そんな感覚が続いているとき、
自分の何が間違っているのだろう、と
思うことはありませんか。
そのとき、起きているのは
間違っているのではなく
これまでのやり方が、
今の自分に合わなくなっている
場合があります。
今日は
そうした行き詰まりの背景として
「トラウマ」という視点から
整理していきます。
トラウマとは何か
トラウマとは
医学的に扱われるものもありますが
ここでは
現在の自分に影響を与えている
子どもの頃の心の体験
という広い意味で扱います。
トラウマとなる出来事は人それぞれですが
共通しているのは
「もう、こんな思いはしたくない」
と感じた体験です。
悲しみとして残ることもあれば
怒りとして残ることもあります。
また、心理学では
特に子どもの頃(おおよそ10歳まで)の体験が
その後の人生に影響しやすいとされています。
ここで大切なのは
特別に強い出来事でなくても
トラウマとして残ることはある
という点です。
トラウマが今の人生にどう影響するのか
トラウマは
「過去の出来事」ではなく
今の思考や反応のパターンとして
影響し続けます。
ここでは、代表的な影響を2つ整理します。
自分を守るルールが増えていく
子どもの頃、
安心して過ごすために
その環境に合わせた行動を学びます。
その中で作られるのが
・してはいけない(禁止)
・しなければいけない(義務)
というルールです。
たとえば
自分の意見を言ったときに
否定された経験があると
・自分の意見は言ってはいけない
・目上の人の言うことは聞かなければいけない
といった形で学びます。
このルールは
当時の環境では自分を守るために機能します。
ただ、大人になってもそのまま使い続けると
場面に関係なく適用されるため
少しずつズレが生まれていきます。
その結果、
我慢が増えたり
選択が狭くなったりして
生きづらさとして感じられるようになります。
自己イメージが形づくられる
もう一つは
自己イメージへの影響です。
子どもは
周囲からどう扱われるかによって
自分がどんな存在かを学びます。
そのため
否定されたり
受け入れてもらえなかったと感じたときに
・自分には価値がない
・自分は愛されない存在だ
といった認識が生まれることがあります。
この自己イメージは
その後の行動や選択に影響し
無意識のうちに
それに合う現実を選びやすくなります。
また、
「愛されていないかもしれない」
という感覚に敏感になり
出来事をその前提で受け取りやすくなることもあります。
ここで大切なのは
親が実際に愛していたかどうかとは
別の問題である
という点です。
同じ出来事でも
子どもの受け取り方によって
意味づけは変わります。
例えば、
・自分のことで両親が言い争っている
・忙しくてあまり一緒に過ごせない
・親が大変そうにしている
といった状況からでも、
子どもは
「自分のせいで大変になっているのではないか」
と感じたり、
自分の存在をネガティブに捉えてしまうことがあります。
「自分からのタイムカプセル」という捉え方
ここまで
トラウマの仕組みとして整理してきましたが
少し角度を変えて見ると、
トラウマは
「自分からのタイムカプセル」のようなものだと
私は感じています。
子どもの頃の自分は
その場を乗り越えるために
ルールや思い込みを作りました。
それは
そのときの最善の選択でもあります。
ただし
そのやり方は
その場をしのぐためのものであり
これから先もずっと自分に合う形として
作られたものではありません。
そのため
当時はうまくいっていたやり方が
大人になった今では
違和感や行き詰まりとして
現れてくることがあります。
そう考えると
今感じているしんどさは
何かができていないというよりも
過去に作ったやり方を
見直すタイミングに来ている
という見方もできます。
それが、まるで昔の自分が
未来の自分に託したタイムカプセルのようにも
感じられるのです。
繰り返しているパターンに目を向ける
ここまでの内容を踏まえると、
トラウマの影響を考えるときに
一つの手がかりになるのが
「繰り返しているパターン」です。
様々な悩みも
パターンという視点で見ると
同じだったことに気づくこともあります。
たとえば
・似たような人間関係でつまずく
・同じような場面で強く感情が動く
・頭ではわかっているのに、同じ選択をしてしまう
こうした繰り返しは
悩みの事柄や出来事そのものよりも
どんなシチュエーションでどんな反応になるのかに
目を向けると見つけやすくなります。
まずは
「どんなパターンがあるのか」を見ていくことが
整理の入り口になります。
まとめ
人生がうまくいかないと感じるとき、
それは能力や努力の問題ではなく
これまで身につけてきた
考え方や反応のパターンが
今の自分と
合わなくなっている場合があります。
トラウマという視点は
その背景にある構造を
整理する手がかりの一つになります。
関連記事
今回の内容とあわせて、
・なぜ日常的にしんどさを感じるのか
・感情がうまくコントロールできないときに何が起きているのか
・トラウマという考え方をどう捉えればいいのか
といった部分を、もう少し具体的に整理したいときは
こちらの記事も参考になります。
ここまでのような内容を
自分の中を整理してみたいと感じたときは
一度、話しながら見ていくことで
捉え方が変わることもあります。
個人セッションでは
こうしたパターンや前提を
一緒に整理していくことを行っています。



