人との関係の中で
「なぜか同じようなことでうまくいかなくなる」
そう感じることはありませんか。
たとえば
- 本当はそうしたくないのに、同じ反応をしてしまう
- 相手は違うのに、似たような関係になってしまう
こうした繰り返しは
過去の体験の中で身についたパターンによって
起きていることがあります。
その多くは
親との関係の中で形づくられた
広義のトラウマによるものです。
トラウマについては
こちらの記事で、詳しく説明しています。
▶︎ 人生がうまくいかないと感じるときに起きていること|トラウマという視点から整理すると
そしてそれは
自分が親との関係の中で
身につけたものだけでなく
親もまた、その親との関係の中で
身につけてきたものであることがあります。
この記事では
この「受け継がれ方」に焦点を当てて
整理していきます。
それを知ることで
自分の中で起きていることを
個人の問題としてだけでなく
どのように受け継がれてきたものなのか
という視点で見えてくることがあります。
トラウマのループとは何か
トラウマのループとは
親との関係の中で身についたパターンが
親から子へ、さらにその子へと
受け継がれていくことです。
ただし
必ずしも同じ形で続くとは限りません。
受け継がれ方には
いくつかのパターンがあります。
どのようにループは起きるのか
受け継がれ方には
3つのパターンがあります。
① 無意識の価値観として受け継がれる
一つは、親から教えられた価値観を
そのまま受け継いでいくパターンです。
親の中では当たり前だった考え方が
そのまま子どもの基準となり
当然のこととして
その子どもにも教えていく関わり方です。
この場合は
同じパターンとして受け継がれていきます。
例えば、完璧を求められた子が大人になり
自分の子供にも完璧を求めるような
受け継がれ方です。
② 「親のようにはならない」と思いながら繰り返す
二つ目は
親にされたことが嫌だったからこそ
「自分はそうならない」と思っているのに
気づくと似たような関わり方をしてしまうパターンです。
強く思えば思うほど
頭ではわかっているのに
同じ関わり方をしてしまう。
これは
その関わり方が
深い部分で身についているために起きます。
これも
同じ関わり方が繰り返されるパターンです。
例えば
言うことの聞かせ方や関わり方、
愛情の示し方などにおいて
似たような形が繰り返されることがあります。
③ 反対のパターンとして受け継がれる
三つ目は
親を反面教師にすることで
逆の関わり方を選ぶパターンです。
一見すると、望み通りで
うまくいくように見えますが
もともとの体験を起点にしているため
極端になりやすく
結果として別の形のトラウマにつながることがあります。
このパターンの代表的な例として、
過干渉と放任の関係をみていきましょう。
過干渉と放任が行き来するパターン
この③のパターンは
いわば「隔世遺伝」のように
行き来しながら続いていくことがあります。
たとえば
過干渉に育てられて苦しかった人が
「自由にさせてあげたい」と思い
結果として放任に傾く。
一方で
放任の中で寂しさを感じてきた人が
「ちゃんと関わってあげたい」と思い
過干渉に傾く。
このように
過干渉と放任が
交互に繰り返されていくことがあります。
「過干渉」で育った場合に起きやすいこと
過干渉とは
親が強く関わりすぎる状態で
口出しやコントロールが多い関わり方です。
その中で育つと
- 自分で決めることへの不安
- 正解を求める傾向
が生まれやすくなります。
また
- 信頼されていない
- 自分はできない存在だ
という感覚を持ちやすくなることもあります。
その結果
自分の子どもには
自由にさせてあげたいと感じ
放任に傾くことがあります。
「放任」で育った場合に起きやすいこと
放任とは
関わりが少なく
子どもが一人で抱えやすい状態です。
その中で育つと
寂しさを感じやすくなったり
- 見てもらえていない感覚
- 大切にされていない感覚
が残りやすくなります。
その結果
- 認めてもらおうと頑張る
- 「いい子」でいようとする
といった形で現れることがあります。
そして
自分の子どもには同じ思いをさせたくないと感じ
過干渉に傾くことがあります。
自分だけの問題ではない
ここまで見てきたように
トラウマのループは
個人の中だけで完結しているものではなく
親から子へと
関係の中で受け継がれてきた可能性があります。
そして
気づかないまま
同じ形、あるいは別の形で
続いていることがあります。
こうした構造として見えてくると
これまで
「なぜあんな関わり方をされたのか」と
感じていたことが
少し違う見え方になることがあります。
それは
親が悪いかどうかという話ではなく
親もまた
その親との関係の中で
身につけてきたものの中で
関わっていた可能性があるからです。
そうした視点が加わることで
出来事の受け取り方や
向き合い方に
少し余白が生まれることがあります。
関連記事
今回の内容は
トラウマがどのように受け継がれていくのかという
「構造」に焦点を当てたものでしたが
・実際にどのような感覚として現れるのかを知りたい
・自分の中でどのような思い込みや前提があるのかを見ていきたい
・この反応は変えられるのかを知りたい
と感じたときは
こちらの記事も参考になります。
ここまで見てきたように
トラウマのループは
個人の問題というよりも
関係の中で受け継がれてきた
パターンとして起きていることがあります。
こうしたものは
頭で理解するだけで
すぐに変わるものではなく
自分の中でどのように反応として
現れているのかを
少しずつ見ていくことが大切になります。
もし
こうした部分を
自分の中で整理してみたいと感じたときは
一度、話しながら見ていくことで
見え方が変わることもあります。



