あなたは、人からの頼みごとやお誘いを
断るのが苦手だと感じることはありませんか。
日本では特に、
「断る=相手を傷つけること」
「関係を悪くしてしまうこと」
と結びつけて考えやすい傾向があります。
私自身も、できれば断りたくないと思うタイプです。
ただ、
「できれば断りたくない」と
「断ることができない」は、実はまったく違います。
自分を後回しにし、無理を重ね、
追い込まれてしまう状態が続くと、
それは結果的に、自分で自分を苦しくしている形になります。
では、なぜそこまでしてしまうのでしょうか。
「人にお願いできない」と「断れない」はセット
以前の記事で
「人にお願いできず、一人で抱え込んでしまう人の3つのタイプ」
をご紹介しました。
- 人にお願いできない
- 人からの頼みや誘いを断れない
この2つは、セットのように同時に起きていることが多いものです。
人からのお願いは断れず引き受けてしまう。
でも、自分は人にお願いできない。
この状態では、いっぱいいっぱいになるのも無理はありません。
断れない人に多い3つの心理
ここからは、
「断れない」背景にある代表的な心理を整理していきます。
1. 相手をがっかりさせたくない
せっかく頼ってくれたのに。
誘ってくれたのに。
断ったら、相手をがっかりさせてしまう。
そう感じるのは、とても自然なことです。
ただ、このタイプの人は、
- 機嫌を損ねるのでは
- 関係が悪くなるのでは
- 人が離れていくのでは
といった不安が、強く結びつきやすい傾向があります。
「がっかりさせること」への罪悪感が、
過剰に膨らんでいる場合もあります。
1. 相手に喜んでほしい
頼まれたことをする。
誘いに応じる。
それによって相手が喜んでくれる。
これも、誰にでもある大切な気持ちです。
ただし、
自分をすり減らしてまで引き受けてしまうところまでいくと、
話は変わってきます。
この背景には、
- 喜ばせられない自分への無力感
- 役に立てない自分への罪悪感
が、根強く残っていることがあります。
3.「できない」「苦しい」と言えない
このタイプの人は、
- できない人だと思われたくない
- 役に立たないと思われたら終わり
- 弱音を吐いてはいけない
という思いを抱えやすい傾向があります。
いわゆる
「私は大丈夫です」と言ってしまうタイプ。
完璧主義の方にも多く見られます。
人を頼らずにここまでやってこれた人ほど、
この傾向になりやすいです。
まず大切にしてほしいこと
ここまで読んで、
「自分のことかもしれない」と感じた方へ。
まず大切にしてほしいのは、
断れない自分を責めないことです。
断れないのは、
意志が弱いからでも、性格の問題でもありません。
これまでの人間関係の中で、
そう振る舞うことで関係を保てると学び、
そのやり方を守ってきたのです。
ここまで頑張ってきた自分を、
否定する必要はないどころか、
むしろ、労ってあげてくださいね。
なぜ、限界まで頑張ってしまうのか
断れない人は、
「人の期待に応えることで関係を続けてきた」
という経験を、たくさん重ねてきています。
そのため、
- 断らずに引き受ける
- 自分のことは後回しにする
- なんとか一人で抱え込む
というやり方が、
無意識のうちに当たり前になっていきます。
そして、
断れない → 抱え込む → 限界まで頑張る
という流れを、何度も繰り返すことになります。
これは努力不足ではなく、
気づかないうちにできた「型」なのです。
「断る」ことが、なぜこんなに不安になるのか
断れない人に共通しているのは、
「人の期待に応えたい」
さらに言えば、
「応えなければいけない」という思いです。
そのため「断る」という行為を、
・相手の期待に応えないと伝えること
・その後の空気に耐えなければならないこと
・その空気に、どう振る舞えばいいかわからない状況に置かれること
のように受け取ってしまい、
漠然とした不安が膨らむことがあります。
さらに、
人の期待に応えなければ
人が離れていくのではないか、という怖さ。
これは、他人軸の典型的な考え方です。
他人軸については
ここでは詳しく触れませんが、別の記事で整理しています。
他人軸と自分軸の違いとは?
人生の満足度を左右する大きな分かれ道
もし、体を壊すほど頑張ってきたなら
これまで、
無理を重ねてきた方の中には、
体調を崩した経験がある人も多いかもしれません。
そうなって初めて、
「断れた」「頼めた」と感じた人もいるのではないでしょうか。
病気や不調によって、
・これ以上は無理だと示せた
・断ってもいい状況になれた
・人に頼んでもいいと、自分に許せた
そんな側面はなかったでしょうか。
「それは仕方ないね」と
相手から言ってもらえる状況になったことで、
初めて安心できた、という人もいます。
もし、望んでいない状態が
なかなか終わらないと感じるときは、
その状態によって
守られているものがないかを、
少しだけ考えてみることが、
次の視点につながることもあります。
これは、
あなたを責めるために書いているのではありません。
そこまでしないと断れなかった自分を、
一歩引いて見てみるための
視点として、お渡ししたいのです。
「断る」の意味づけを、少しだけずらしてみるとしたら
断ることは、
必ずしも「関係を壊すこと」ではありません。
無理なときにきちんと断ってくれる人の方が、
かえって頼みやすい、と感じる人もいます。
また、自分がお願いやお誘いをして
断られる経験を重ねることで、
- 断っても関係が続くこと
- 残念だけれど、納得できる断り方があること
を、少しずつ体感できるようになる人もいます。
最後に
ここまで見てきたように、
断れないことで、
・抱え込みすぎてしまう
・忙しさから体を壊す
といったことが、
連鎖的に起きていきます。
そして少しずつ、
自分を後回しにする感覚が
当たり前になっていくと、
自分の望みが、
わかりにくくなっていく人もいます。
こうした考え方や反応は、
頭で考えたり、意志の力で
どうにかしようとすると、
かえって自分を責める方向に
流れてしまうことが少なくありません。
自分軸カウンセリングでは、
そうならざるを得なかった背景を整理し、
人間関係に対して身につけてきた
無意識の捉え方を、
あらためて見直していくサポートをしています。
今すぐでなくて構いません。
あなた自身が「今かもしれない」と思えたときに、
思い出してもらえたら十分です。
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