頑張り屋さんは、疲れやすい。
そう感じることはありませんか。
心の面から見ると、
頑張り屋さんが疲れやすい理由のひとつに、
自分を責めてしまう
無理をしてしまう
人に合わせすぎてしまう
といった心の癖があります。
けれど、頑張り癖は
心の中だけに出るとは限りません。
体の使い方にも、
頑張り癖が出ていることがあります。
私自身、心の頑張り癖は
ずいぶん手放してきたつもりでした。
でも、あるとき、
「あれ?
体の使い方には、まだ頑張り癖が出ているかもしれない」
と気づいたのです。
心の癖に気づいてきた人でも、
まだ気づいていない人でも、
体の使い方を見ることで、
無意識の頑張り癖に気づくことがあります。
この記事では、
私自身が実感した
頑張り屋さんに起こりやすい体の癖を
3つに分けて整理してみます。
自分がどこで力んでいるのかに気づくことは、
自分らしく生きるための
小さな入口にもなります。
頑張り癖は体にも出る
頑張っているとき、
私たちは無意識に体にも力を入れています。
歯を食いしばる。
肩に力が入る。
前のめりになる。
呼吸が浅くなる。
息を止める。
その場だけなら、
自然な反応かもしれません。
けれど、その体の使い方が日常的になると、
そこまで力を入れなくてもいい場面でも、
体はいつも
「頑張る姿勢」のままになってしまいます。
もっというと、
本当に力を発揮したいときほど、
体はリラックスしていた方が
動きやすいこともあります。
私が特に気づいたのは、
次の3つです。
・歯を食いしばる
・肩に力が入る
・重心が前になる
ひとつずつ見ていきます。
歯を食い縛る
ひとつ目は、
歯を食いしばる癖です。
いわゆる、食いしばりや噛みしめ癖です。
「歯を食いしばって頑張る」
という言葉があるように、
何かを耐えようとするとき、
私たちは無意識に歯を食いしばることがあります。
その場を乗り越えるためには、
必要な反応だったのかもしれません。
けれど、常に頑張る状態が続くと、
それが体の癖として残ることがあります。
私自身、昔、歯医者さんで
レントゲンを撮ったときに、
エラのあたりの骨が
かなり発達していると言われたことがあります。
歯を食いしばっている証拠だと
言われたのです。
そのときは、
「え、そんなに?」
と驚きました。
自分では、
そんなに噛みしめているつもりがなかったからです。
でも、無意識の癖とは
そういうものなのですよね。
自分では気づいていないところで、
体にはずっと力が入っている。
口を開けて、
上あごと下あごの間、
親知らずが生えるあたりを軽く触れてみると、
痛い
痛気持ちいい
こっている感じがする
という方もいるかもしれません。
その場合は、
噛みしめによって咬筋まわりに
力が入りやすくなっている可能性があります。
もちろん、痛みが強い場合や、
顎の違和感、歯の不調がある場合は、
歯科で相談してくださいね。
ここでは、
まず日常の中で気づけるポイントとして
見ていきます。
食いしばりをゆるめるヒント
突然ですが、
2つ質問です。
普段、上の歯と下の歯は
どのくらい触れていますか。
そして、
舌の定位置はどこにありますか。
私はこれを知ったとき、
かなり衝撃を受けました。
一般的には、
何もしていないとき、
上の歯と下の歯は軽く離れている状態が自然だと言われています。
口は閉じていても、
歯は閉じていない。
ここ、知らないと
けっこう驚きませんか。
私は驚きました。
だって、誰にも教えてもらったことがなかったからです。
口を閉じるということは、
歯も閉じることだと思っていました。
でも、歯まで閉じていると、
知らないうちに噛みしめやすくなります。
そして、それには舌の位置も関係します。
舌の自然な位置は、
上あごの前歯の少し後ろあたりに
そっと触れている状態がひとつの目安とされています。
私はこれを知るまで、
舌は下の歯の内側に収めておくものだと思っていました。
下の歯の内側って、
舌が自然に収まりやすい形をしていませんか。
だから私は、
そこが舌をしまう場所なのだと
普通に思っていたのです。
でも、舌が下の歯の内側に収まったまま
口を閉じようとすると、
人によっては、唇だけでなく
歯まで閉じやすくなることがあります。
もちろん、
舌が下の歯の内側にあるからといって、
必ず歯を噛みしめるわけではありません。
口が開いている状態であれば、
上下の歯は離れています。
ただ、私のように
「口を閉じる=歯も閉じる」と思っていると、
知らないうちに噛みしめやすくなることがあるのです。
だからこそ、
口は閉じているけれど、歯は離れている状態を知ったとき、
とても驚いたのです。
舌を上あごの方に置くことは、
最初は少し大変に感じるかもしれません。
私も、慣れるまでは
舌の筋肉を使っている感じがありました。
でも、舌が上あごの方に収まると、
唇は閉じていても、
上下の歯の間にはすき間を作りやすくなります。
つまり、
舌を上あごに置くことは、
「口まわりを全部ゆるめる」というより、
歯やあごに入っていた余計な力みに気づきやすくするための
ひとつの手がかりなのだと思います。
また、舌の位置は
鼻呼吸とも関係します。
舌が下がり、口が開きやすくなると、
口呼吸になりやすいことがあります。
反対に、舌を上あごの方に置く感覚がつかめてくると、
口は閉じていても歯は離し、
鼻で呼吸する状態を意識しやすくなります。
これも、無理に頑張って
正しい形にしようとする必要はありません。
まずは、
「今、歯が触れているかな?」
「舌はどこにあるかな?」
「口まわりに力が入っているかな?」
「口で呼吸しているかな、鼻で呼吸しているかな?」
と気づくことからで十分です。
気づいたら、
ふっと息を吐いて、
口まわりの力をゆるめてみる。
上の歯と下の歯を
少し離してみる。
舌を上あごの方に
そっと置いてみる。
鼻から息を吸って、
鼻から吐いてみる。
それだけでも、
自分がどれだけ無意識に力を入れていたかに
気づくことがあります。
私の場合は、
これを意識するようになってから、
「あ、今また噛みしめていた」
と気づく回数が増えました。
気づく回数が増えると、
その分だけゆるめるきっかけも増えます。
頑張り癖をなくそうとするよりも、
まずは体に出ている力みに気づく。
そこからでいいのだと思います。
肩に力が入っている
ふたつ目は、
肩に力が入っていることです。
頑張り屋さんには、
肩こりの人が多いのではないでしょうか。
もちろん、肩こりには
姿勢、運動量、仕事環境、体質など
いろいろな要因があります。
ただ、頑張ろうとしているとき、
私たちは無意識に肩を上げていることがあります。
緊張している人に、
「肩の力を抜いて」
と声をかけることがありますよね。
あれは、本当にその通りだなと思います。
頑張ろうとすると、
肩が上がる。
首がすぼまる。
猫背になる。
呼吸が浅くなる。
場合によっては、
息を止めていることもあります。
これは、身を守ろうとするときの
体の反応にも近いのかもしれません。
でも、その状態が続くと、
体はずっと縮こまったままになります。
特に、パソコン作業をしているとき。
画面に集中しているうちに、
肩が上がり、
首が前に出て、
背中が丸くなっている。
気づいたときには、
「ひゃー、またなっていた」
と思うことがあります。
肩の力みをゆるめるヒント
肩の力を抜こうと思っても、
そもそも力が入っていることに
気づいていないことがあります。
だから最初は、
「力が入っているかどうか」ではなく、
肩が上がっているかどうか
を見てみるのがおすすめです。
力が入っているかはわからなくても、
肩が耳の方に近づいているかどうかなら
比較的気づきやすいからです。
気づいたら、
肩を下におろす
首を上にすっと伸ばす
首だけ前に出ていたら、少し後ろに戻す
この3つを意識してみます。
ポイントは、
無理に胸を張ろうとしすぎないことです。
姿勢をよくしようとして、
逆に力が入ってしまうこともあります。
私も以前は、
「姿勢をよくしなきゃ」
と思っていました。
でも、その意識だと
続かないし、疲れるのです。
それよりも、
肩を下げる
首を伸ばす
というふうに、
見るポイントを絞った方が
体がわかりやすかったです。
私の場合は、
護身術を習っている中で、
「肩を下げて」
とよく言われていました。
最初は、
そんなに肩が上がっているつもりは
ありませんでした。
でも、意識を向けてみると、
確かに上がっている。
普段の生活でも、
無意識に肩が上がっていることに
気づくようになりました。
また、ノートパソコンを長時間使う方は、
画面の高さを上げる工夫も役立ちます。
私はノートパソコンスタンドを使うようになって、
目線が上がり、
猫背になりにくくなりました。
体の癖を整えるときは、
気合いだけで変えようとするよりも、
環境を整える方が続きやすいことがあります。
肩が下がって、
胸まわりが少し開くと、
呼吸もしやすくなります。
呼吸がしやすくなると、
体だけでなく、
気持ちにも少し余白が生まれます。
大げさなことではないけれど、
こういう小さな体の変化は
自分を整える入口になるのだと思います。
重心が前になっている
3つ目は、
重心が前になっていることです。
頑張り屋さんというと、
どこか前のめりなイメージがありませんか。
実際に、
体の重心も前に寄りやすいことがあるように感じています。
昔の私は、
いつも慌てていました。
いつも時間に追われているような
気がしていました。
予定に向かうときも、
早めに着いてゆっくりするより、
ギリギリに着くくらいが
時間を有効に使えていると思っていたのです。
でも、その分、
移動中はいつも
間に合うように必死でした。
自分でギリギリにしているのに、
結果的に、いつも心に余裕がない。
そんな時間の使い方をしていたのだと思います。
今は、気持ちの面では
以前よりずいぶんゆったりしています。
でも、体の癖は
まだ残っていたのです。
護身術で体のバランスを見てもらうと、
「もう少し腰を後ろに」
と言われることがあります。
言われた通りにすると、
後ろにひっくり返りそうな気がするのです。
でも、それくらい
前重心が身についていたということなのだと思います。
自分では普通だと思っていた姿勢が、
実はかなり前のめりだった。
体の癖って、
自分では本当に気づきにくいですね。
重心を整えるヒント
重心が前にあると気づいたら、
少しだけ後ろに戻してみます。
このときも、
無理に反らせる必要はありません。
「かかとの方にも体重が乗っているかな」
と確認するくらいで十分です。
私の場合は、
少し後ろ重心を意識すると、
自然と動きがゆったりします。
不思議なのですが、
体の重心が変わると、
気持ちの急ぎ方も少し変わるのです。
前のめりでいると、
どこか急がなければいけない感じがします。
後ろにも重心が乗ると、
少し堂々と立てる感じがします。
肩を下げることと、
重心を少し後ろに戻すこと。
この2つを意識するだけでも、
姿勢全体が変わりやすくなります。
背筋も伸びやすくなり、
腹筋も自然に使うようになります。
これも、美容のために頑張るというより、
体が本来のバランスを思い出すような感覚です。
結果として、
姿勢が整って見えたり、
立ち姿が落ち着いて見えたりすることは
あるかもしれません。
でも、目的はそこだけではありません。
自分の体が、
どこで焦っているのか。
どこで力んでいるのか。
どこで前に突っ込もうとしているのか。
それに気づいていくことが、
自分を大切に扱うことにもつながっていきます。
体の癖に気づくと、心の癖にも気づきやすくなる
体の癖は、
ただの姿勢の問題ではありません。
もちろん、体には体の仕組みがあります。
だから、すべてを心理と結びつける必要はありません。
ただ、体の使い方を見ていると、
自分の心の癖に気づくことがあります。
歯を食いしばっているとき、
何を我慢しているのか。
肩に力が入っているとき、
何を力みながら頑張ろうとしているのか。
前のめりになっているとき、
何に追われているように感じているのか。
そうやって見ていくと、
体の癖は、
自分の状態を知る手がかりになります。
大切なのは、
また「頑張って直さなければいけない」と思って
力を入れないことです。
これは、体の癖だけでなく、
学び方や変わり方にも関係しています。
何かに気づいたとき、
すぐに正さないとダメだと思ったり、
できていない自分を責めたりすると、
また別の形で力が入ってしまいます。
「こうしなければ」「これはしてはいけない」といった感覚が強い方は、
義務と禁止が自分の行動にどのように影響しているのかを整理した
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【関連記事】子供の頃に学んだ「禁止」と「義務」が生きづらさにつながる理由
まずは、
「今、こういう癖が出ているんだな」と気づくこと。
そこから少しずつ、
力を抜ける場面を増やしていくこと。
それで十分です。
まとめ
頑張り屋さんは、
心だけでなく、
体にも頑張り癖が出ていることがあります。
今回ご紹介したのは、
次の3つです。
・歯を食いしばる
・肩に力が入る
・重心が前になる
どれも、
自分ではなかなか気づきにくい癖です。
でも、気づいてみると、
「あ、私もやっているかも」
と思う方もいるかもしれません。
体に出ている頑張り癖に気づくことは、
自分を責めるためではありません。
それだけ頑張ってきた自分に気づくこと。
そして、
これからは少しずつ
力を抜ける場所を増やしていくこと。
その入口です。
体の力みが強い方や、
痛み、不調、違和感が続く方は、
歯科、整体、医療機関など
専門家に相談してみてください。
体に出ている頑張り癖に気づくことは、
自分を責めるためではありません。
それだけ頑張ってきた自分に気づき、
これから少しずつ、
力を抜ける場面を増やしていくための入口です。
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「正しくできていなかった」
「こんなことで力んでいたなんて弱い」
そんなふうに自分を責めたくなった方は、
こちらの記事でも整理しています。
また、
「こうしなければ」
「これはしてはいけない」
という感覚が強い方は、
こちらの記事も参考になると思います。
力む方向の頑張り方を繰り返していると感じる方へ
体の癖に気づくことは、
自分の状態を知る入口になります。
ここまで見てきた体の癖には、
心の癖が、体の使い方として表れている場合があります。
たとえば、
・何かを我慢すること
・何かを力みながら頑張ろうとすること
・何かに追われているように感じて動くこと
こうした反応が繰り返されているときは、
体の使い方だけでなく、
その奥にある感情の動きや思考のクセ、
反応パターンを見ていくことが役立つ場合があります。
自分軸カウンセリングでは、
今起きている悩みを入り口にしながら、
その奥にある感情の動き、思考のクセ、反応パターンを一緒に見ていきます。
力む方向の頑張り方を繰り返す理由を整理し、
これからの選び方を変えていきたい方は、
自分軸カウンセリングをご利用ください。


