「しんどい」と感じるときに

「私が悪い」と思ってしまうのはなぜか|関係を壊さないための心理

「しんどい」と感じるときに

人間関係の中で嫌な思いをしたとき、

「私が悪かったからだ」
「私が気をつければよかった」

そうやって、自分の中で納得しようとしたことはありませんか。

相手の言動に違和感があっても、

・言い方が悪かったのは自分かもしれない
・機嫌を損ねるようなことをしたのかもしれない
・そもそも自分が気に入られていないからだ

そんなふうに考えてしまうことがあります。

そして最終的に、

「私が悪い」と思うことで
その出来事をおさめようとする。

実はこの考え方には、
単なる思い込みではなく、
ある“役割”があります。

「私が悪い」と思うことで関係を保とうとする

人は、

「相手が悪い」と感じると、
その人に対して距離を取りたくなったり、
関係を見直したくなったりします。

けれど、

・その人と関係を続けたい
・嫌いになりたくない
・関係が壊れるのが怖い

そう感じているとき、

「相手が悪い」と認識すること自体が
難しくなります。

そのときに起きるのが、

「私が悪かった」と考えることで
関係を保とうとする動きです。

相手を守るために、自分を悪者にする

「私が悪い」と思うことで、

・相手は悪くない
・「本当はいい人」と思っていられる
・関係も続けられる

そんな状態を保つことができます。

つまりこれは、

相手を守るためであり
関係を壊さないための選択

でもあります。

一見すると自己否定のようですが、

実際には、

関係を維持するための方法

として機能していることもあります。

その背景にあるもの

こうした考え方は、

過去の体験と深く関わっていることがあります。

たとえば、

親との関係の中で

・理不尽に怒られる
・感情のはけ口にされる
・傷つく言葉を向けられる

といった経験が頻繁にある場合、

子どもにとっては、

「親が悪い」と認識することは
とても難しいことです。

なぜなら、

大好きな親が、自分にひどいことをするはずがない

と思いたいからです。

そのため、

「自分が悪いから、こうなっている」

と考えることで、
その状況を理解しようとします。

これは、

そう思わないと、その場を乗り越えられなかった

ということでもあります。

「私が悪い」は、当時の自分を守ってきた考え方

この考え方は、

苦しさを生み出し、
積み重なっていくものでもありますが、

同時に、

その時の自分を守るために必要だったもの

でもあります。

だからこそ、

大人になって環境が変わっても、

無意識に同じ反応が出てしまうことがあります。

そして、苦しさの原因が
そこにあると気づきにくいことがあります。

ただし、今もそれが合っているとは限らない

「私が悪い」と思うことで、

その場はおさまるかもしれません。

でも、

・本当は嫌だった
・傷ついていた
・納得していない

そうした感覚が置き去りになると、

相手との関係の中で、
同じことが繰り返されたり、
しんどさが積み重なっていくこともあります。

「自分が悪いかどうか」と「嫌だった気持ち」は別

ここで大切なのは、

自分が悪いかどうかと
嫌だった気持ち

は、別のものだということです。

たとえ自分に至らない点があったとしても、

嫌だったと感じたこと自体を
なかったことにする必要はありません。

まずは、嫌だった気持ちに気づくところから

「私が悪い」と思ったときほど、

その前にあった感覚は見えにくくなります。

だからこそ、

・本当はどう感じていたのか
・どこが嫌だったのか

そこに目を向けてみることが大切です。

客観的に見ることが難しくなっていることもある

ただ、

長くこのパターンが続いていると、

何が客観的なのかがわからなくなる

こともあります。

・どこまでが自分の責任なのか
・相手の問題はどこにあるのか

その区別がつきにくくなっている場合もあります。

そうしたときには、

誰かに話しながら整理していくことで、
見え方が変わることもあります。

最後に

「私が悪い」と思うことで
守ってきたものがあるからこそ、

その考え方は、簡単には手放しにくくなっています。

でも、

まずは、そのパターンを理解し

そのまま引き受け続けなくても、
関係を築いていくことはできると
知っていくことが、ひとつのきっかけになります。

ここまで読んで、

こうした関係の中で起きていることを
もう少し整理してみたいと感じたときには、

自分の感じ方やパターンを
一緒に見ていく中で、

これまで気づきにくかった部分が
見えてくることもあります。

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