毎日がしんどい。
頑張っているのに、どこか苦しい。
そんな感覚が続いているとしたら、
それは性格や努力不足の問題ではないかもしれません。
この記事では、
- 子供の頃に身につけた
「してはいけない(禁止)」
「しなければいけない(義務)」という学び方 - それが、大人になった今も
自分を責めたり、縛ったりしてしまう仕組み - なぜ「すぐに変えようとしなくていい」のか
を、整理していきます。
この記事が、
今感じているしんどさを整理する
ひとつの視点として
役に立てばと思います。
子供の頃に学んだ「禁止」と「義務」とは?
子供の頃、こんな言葉をかけられた経験はありませんか?
- 「火(ガスコンロ)に近づいてはいけません」
- 「知らない人と話してはいけません」
- 「お友達を叩いてはいけません」
これらは、危険やトラブルを防ぐための「禁止」です。
一方で、
- 「勉強しなさい」
- 「お友達と仲良くしなさい」
- 「みんなに優しくしなさい」
- 「お礼を言いなさい」
こうした言葉は、
「しなければいけないこと=義務」として教えられます。
子供にとって
「禁止」と「義務」は、
世界を安全に生きるために必要な学びでした。
問題は、
その学び方の中で
何を学んだのか、
そしてその学び方を
大人になってもそのまま使い続けていることです。
「禁止」や「義務」が、苦しさに結びつく理由
子供が「禁止」や「義務」を破ったとき、
多くの場合、次のような反応が返ってきます。
- 怒られる
- がっかりされる
- 心配される
たとえば、
「火に近づくと危ないからダメだよ」と言われていても、
子供は好奇心から近づいてしまったり
危ない目にあうことがあります。
そのとき、
「だから言ったでしょ!」
「なんで守れないの?」
と言われると、
子供の中には
危険だからダメ
よりも
怒られるからダメ
悲しませるからダメ
という学びが残ります。
義務も同じです。
「勉強しないと将来困るよ」と言われても、
子供は将来を具体的に想像できません。
結果として、
勉強しないと怒られる
勉強しないとダメな人間だと思われて、親を悲しませる
という形で、
恐怖や罪悪感とセットで学習されていきます。
さらに、この学び方が
強く残りやすいケースがあります。
たとえば、
義務や禁止が
親の強い不安から発せられる場合、
言葉が厳しくなりやすく、
それ自体が子供にとって
強い緊張や恐怖になります。
そして、それを破ると
親が不安定になる、
ということを、
子供は体験として学びます。
その背景には、
親の不安が強いと、
心配からの注意が増えやすい、
という事情があります。
それが重なると、
子供にとっては
行動を細かく管理されている感覚につながり、
いわゆる「過干渉」と呼ばれる状態になるのです。
また、
「言うことを聞きなさい。
さもないと……」
と、お仕置きとセットで教えられたり、
言うことを聞かなかったあとに
お仕置きを受ける経験が重なると、
子供は
恐怖を基準に行動するようになります。
その結果、
「人の言うことに
従わなければいけない」
という義務が、
強く残ります。
このように、
恐怖を基準に行動する学び方そのものが、
大人になってからの生きづらさにつながっていくのです。
大人になっても続く「子供時代の学び方」の不具合
こうして身についた「禁止」と「義務」は、
大人になってからも、
自分の中で生き続けます。
そして今度は、
親や先生の代わりに、
自分が自分を責める役を
引き受けるようになります。
これが、
あなたが自分を責めやすい背景です。
しかも子供は、
例外や、
状況に応じた判断を、
まだ学ぶことができません。
そのため、
子供の頃に身につけた学び方は、
「どんなときも」
「何があっても」
という、
極端なルールとして
残りやすくなります。
そして大人になってからも、
その同じ学び方で物事を理解しようとすると、
思考そのものが
0か100か、
という形になっていくのです。
トラウマと「禁止・義務」の関係
いわゆる「トラウマ」も、
この学び方と深く関係しています。
強い出来事の中で、
「もうこんな思いをしたくない」
という気持ちが生まれ、
その結果として、
こうしてはいけない
こうしなければいけない
というルールがつくられ、
強く刻み込まれていくのです。
そういう意味で、
トラウマは特別な人だけのものではありません。
大人になってから
それが自動的に発動し、
今のあなたを苦しめている場合があるのです。
セッションでトラウマを扱うというのは、
「怖い記憶を掘り返すこと」ではなく、
その出来事から
どんな「禁止」や「義務」を学んだのかを整理し
今の自分に合わないルールや学び方を手放していくこと
だと捉えてもらえたらと思います。
だから、苦しくなるのは自然なこと
ここまでの話を踏まえると、
今の苦しさには、
ちゃんと理由があることが見えてきます。
生きてきた年数分だけ、
「守らなければいけないルール」が増え続けたら——
苦しくなるのは、自然なことです。
でも、だからこそ、
今ここで無理に
「変わらなきゃ」
「手放さなきゃ」
としなくていいのです。
なぜなら、
その思い方自体が、
これまで身につけてきた
「義務」や「禁止」の枠組みで、
自分を動かそうとしてしまうことになるからです。
「こう思ってはいけない」
「こう考えなければいけない」
そうやって変わろうとすると、
さらに新しい
義務や禁止を増やしてしまい、
苦しさが強くなることも少なくありません。
大切なのは「変えること」ではなく「理解すること」
大切なのは、
すぐに思考や行動を変えることではなく、
- どんな環境で
- どんな学び方をしてきたのか
- その学び方が、今の自分に合っているのか
を、理解していくことです。
仕組みが見えてくると、
これまで自動的に働いていた思考に、
少し距離を取れるようになります。
それだけで、
心が緩み始める人も少なくありません。
自分軸カウンセリングでは、
こうした
「無意識のうちに身につけてきた学び方」を、
一緒に整理していきます。
何かを無理に手放したり、
すぐに変えたりすることが目的ではありません。
これまでの背景や、
今の状態を丁寧に見ながら、
「今の自分にとって、
どんな考え方や選び方が合っているのか」
を、少しずつ確かめていく時間です。
自分を責める仕組みがわかってくると、
自然と、
「どうしたいか」を選べる余地が戻ってきます。
変わることを急がなくて大丈夫です。
理解できたところから
すでに一歩、動き始めています。
自分軸カウンセリングについては、
こちらで詳しくご案内しています。
必要だと感じたタイミングで、
見てみてください。



