アドラー心理学では
「貢献感」が大事とよく取り上げられます。
けれど
それを真面目に受け取る人ほど
苦しくなってしまうことがあるように感じます。
また
「不幸になる人は
自分の喜びばかり考えている人です」
という言葉も、
受け取り方によっては誤解を生みやすいものです。
今回は、このあたりを整理していきます。
①「貢献感」の誤解:「貢献」とは違います
「貢献感」が大事と聞いて
「それなら、貢献しなければ」
と動こうとする人は、
かえって苦しくなりやすい傾向があります。
何かを見聞きしたときに
・◯◯しないといけない(義務)
・✖️✖️してはいけない(禁止)
と受け取りやすいのは
他人軸の状態で起きやすい反応です。
ここで整理しておきたいのは
アドラー心理学で言われているのは
「貢献」ではなく
「貢献感」であるという点です。
「貢献」と「貢献感」は別のものです。
「貢献感」とは
自分の中で
「自分は誰かの、何かの役に立っている」
と感じられている状態のことです。
誰かから
「ありがとう」
「助かったよ」
と言ってもらうことが
必要なわけではありません。
「貢献感」は自分の中で完結する
イメージとしては
あの人たちのこんなことろに
こんな風に役立っているのだ
世の中をちょっと良くしている
そんなプラスのイメージを持って
動いているかどうか。
ここで大事なのは
実際に、役に立ったと言うことを
外から評価されることなど
証拠を必要としないこと。
自分の中で感じられているかどうか
が重要なのです。
ただし
これは、人がどう思おうが
関係ない。
自分さえ、満足できればいいんだ
ということではありません。
もし、自分の行動が相手にとって負担になっている場合は
それを伝えてもらえる関係性であることも大切です。
そのときに
「せっかくやってやってるのに!」
ではなく
「そうだったんですね」
と受け取れるかどうか。
ここに
貢献の押しつけになるかどうかの違いが出てきます。
そして
ここも大事なポイントですが
相手にとって何がよいかを聞いたときに
「それはできないな」と思うなら
それはそのままで構いません。
無理に合わせることや
言われたことをそのままやらなければいけないと思うこととは
別のものです。
相手を尊重することと
自分を後回しにすることは別なのです。
②「不幸になる人は、自分の喜びばかり考えている人です」の誤解
以下は、ドラマ「美丘」でアドラー心理学を教えるセリフです。
「”憂鬱なときは、 どうしたら、
他人を喜ばせることができるかを毎日考えてみることです。
不幸になる人は、自分の喜びばかり考えている人です”と」
この
「不幸になる人は
自分の喜びばかり考えている人です」
という言葉についてです。
これは
「自分のことを考えてはいけない。」
「他人を喜ばせないと幸せになれない。」
という意味ではありません。
自分の喜びを考えること自体は
自然なことです。
ここで言われているのは
「人から何かをしてもらうこと」ばかりに意識が向いている状態です。
・満たしてもらう
・与えてもらう
・何かをしてもらう
そうした方向に偏っているとき
人は満たされにくくなるからです。
一方で
「どうしたら相手が喜ぶか」を考えることは
義務ではありません。
「そうしなければいけない」ものではなく
自然にそう思えたときに
そうする、ということです。
例えば
相手の喜ぶ様子を思い浮かべて
それが自分の中でも心地よく感じられるとき
その行動は
自分にとっての喜びにもなっています。
ただし
その結果として
相手が思ったように喜ばなかったとしても
それ自体は問題ではありません。
自分の想像と
実際の受け取り方が違っていただけです。
相手の反応に左右されすぎないという点では
「貢献感」と同じ考え方です。
なぜ、このような受け取り方になるのか
ここまで見てきた2つに共通しているのは
「意味の理解」ではなく
「ルールとして受け取ってしまうこと」です。
・こうしないといけない
・こうしてはいけない
という形で理解すると
本来の意味とは違う形で
自分を縛るものに変わってしまいます。
このような受け取り方は
特別なものではなく
これまでの経験の中で身についてきたパターンです。
まとめ
今回のポイントは
・「貢献」と「貢献感」は違う
・「しなければいけない」に変換すると苦しくなる
・「自分の喜びを考えてはいけない」わけではない
という点です。
ここまでのように
何かを学んだときに
意味ではなく
・義務
・禁止
として受け取りやすいとしたら
そこには一定のパターンがあります。
そのパターンを整理していくことで
同じ内容でも
受け取り方が変わっていきます。
自分がどのように受け取っているのか
その傾向を整理してみたいと感じたときは
「自分軸・他人軸」という視点も参考になります。
また
こうした受け取り方のクセを
もう少し全体として整理していきたいと感じたときは
無料のWEB講座でも扱っています。
そして
もう少し具体的に
ご自身のパターンを整理していきたいと感じたときは
一緒に見ていくこともできます。
関連記事
今回の内容とあわせて
・なぜ「義務」や「禁止」として受け取ってしまうのか
・その背景にどんなパターンがあるのか
をもう少し整理したいときは
こちらの記事も参考になります。
また、アドラー心理学の考え方について
別の視点から整理した記事としては
こちらもあります。

