「しんどい」毎日からの脱出

「被害者意識かも」と感じるあなたへ|心の仕組みと、少し楽になる視点

「しんどい」毎日からの脱出

「被害者意識」という言葉を聞いたことがありますか?

この言葉は少し強く聞こえるかもしれません。

けれど実際には、
「責められそう」「嫌なことを強いられそう」「大切にされていない気がする」

そんな不安が続くときに、
心が自分を守るために起こす反応として現れることがあります。

それは、実際にそう感じる経験を重ねてきた、
というサインであることもあります。

この記事では、
被害者意識と呼ばれる状態の“心の仕組み”を整理しながら、
人間関係が苦しくなってしまう理由と、
そこから少し楽になるための視点をお伝えします。

被害者意識とは何か?

まず、「被害者意識」と呼ばれる状態について整理しておきましょう。

簡単に言うと、
「私は被害者である」という意識のことです。

先ほどの例で言うと、
相手がそんなつもりがなくても、
「責められた」「嫌なことを強いられた」「大切にされていない」
と感じやすい状態です。

そして、実際に何も起きていなくても、
人と接するときに、

この人も
「責めてくるのではないか」
「嫌なことを強いてくるのではないか」
「大切にしないのではないか」

つまり一言で言うと、
「ひどいことをされるのではないか」
と、常に身構えている状態でもあります。

少し想像しただけでも、
いつも体に力が入りそうで、
とても大変ですよね。

被害者意識として表れやすい感覚

被害者意識と呼ばれる状態には、
いくつか共通する「被害感覚」があります。

それらは、
小さい頃の体験や、
これまでの人間関係の積み重ねの中で形づくられ、
今の対人関係にも影響を与え続けていることが少なくありません。

ここでは、代表的な感覚を整理していきます。

「やらされる」感(支配)

「やらされる」感とは、
実際に「やれ」と言われて行動することだけを指すわけではありません。

相手が望むようにしないと、
機嫌が悪くなったり、
嫌な思いをさせられたりした経験から、

言葉で指示されなくても、
相手が望むことを選ばされているように感じることも含まれます。

そんな相手と長く接していると、
他の人と関わるときにも、

人の期待に応えないといけない、
逆らったら嫌われるかもしれない、

そう感じて、
相手が望みそうなことを察して動くようになります。

すると、
周りからは自分の意思で選んでいるように見えていても、
本人は「自分で選んでいる」という感覚が乏しくなり、

どこかで、
選ばされている、
強いられている、
と感じてしまうのです。

この状態が続くと、
少しずつ不満やストレスがたまっていきます。

「責められる」感

何か問題が起きたときに、
「きっと私が悪いと思われている」
「また責められるに違いない」
と感じてしまう感覚です。

また、
何かをしたときには
その出来栄えに文句を言われ、
(やらされて、文句を言われたら最悪ですよね)

一方で、
しなかったことに対しても
「なぜ、しなかったのか」と責められる。

そんな日々を重ねていると、
何をしても責められる、
という感覚が強くなっていきます。

すると次第に、
どう動いても正解がないように感じ、
身動きが取れなくなっていきます。

なぜなら、
「どうしたら責められないか」
「どうしたら文句を言われないか」
という、周囲の基準を軸に考えるようになるからです。

けれど、その基準ははっきりしないため、
考えれば考えるほどわからなくなり、
人から見ると、
どこかビクビクした印象に映ることも少なくありません。

「大切にされない」感

「大切にされていない」感とは、
相手が何かをしてくれなかったときに、
それを「軽んじられた」「愛されていない」
と受け取ってしまう感覚です。

本人にとってはとても切実ですが、
相手は悪気がなかったり、
そこまで深い意味を持っていないことも少なくありません。

けれど、そのズレが続くと、
関係性そのものが苦しくなっていきます。

もう一つ:「こんな私にされた」感

もう一つ、
大人になってから強くなることのある感覚があります。

それは、
今の自分がうまくいかない理由を、
誰か(特に親や過去の環境)のせいだと感じてしまうことです。

それ自体が悪いわけではありません。
背景を理解することは、とても大切です。

ただ、
その感覚が強くなりすぎると、
怒りや恨みだけが残り、
前に進む力を奪ってしまうこともあります。

被害者意識の悪影響

被害感覚が強い状態が続くと、
常に緊張や不安を抱えたまま人と関わることになります。

その結果、
本当は望んでいない形で
人間関係が壊れてしまうことも少なくありません。

「やらされ感」により人間関係が壊れる理由

「やらされ感」が続くと、
本人の中に、不満やストレスが少しずつ溜まっていきます。

本当は自分の意思で選んでいる行動であっても、
心の中では
「人に強いられている」
「我慢させられている」
と感じている状態だからです。

そこには、
「人の言うことに従わないといけない」
「人に合わせないといけない」
という思い込みが背景にあります。

そんな中で、
どうしても譲れない小さな願いを伝えたり、
あるいは、言わなくても察してほしいと思ったときに、

それが受け入れてもらえないと感じると、

「私はずっと言うことを聞いてきたのに、
 私の願いは聞いてもらえないのか」

と、強い怒りとして噴き出してしまうことがあります。

相手から見ると、些細なことで
突然怒りをぶつけられたように感じられるため、
人間関係を壊すほどの衝撃になることも少なくありません。

これは、表面だけ見ると
自分の希望が通らないと怒る
子供がとる言動のように映るため
「大人の拗ね」と呼ばれることもあります。

「責められ感」により人間関係が壊れる理由

「責められ感」が強くなると、
誰も何も言っていないのに、

「あなたが悪い」と思われているのではないか、
そう言われるに違いない、

と感じてしまうことがあります。

その不安に耐えきれず、

「どうせ私が悪いって言うんでしょ!」
「私が悪いって言いたいんでしょ!」

と、相手に攻撃的な言葉を向けてしまうこともあります。

さらに、その感覚が強くなると、

「だったら言うけど!
 あなただって、私にこんなにひどいことしてるのよ!」

あるいは、

「私は、あなたのためを思って
 こんなにしてきてあげたのに!」

と、相手の欠点や、
これまで自分が勝手に我慢してきたこと、
頼まれてもいないのに察してやってきたことを、
一気にぶつけてしまうことがあります。

これは、
嫌われたくない、
関係を壊したくない、
という思いからくる防御でもあります。

「私が悪い」とされる前に、
「あなたにも問題がある」
「私はこんなにやってきた」
と示すことで、

この関係を続けたい、
手放されたくない、
という願いが、歪んだ形で表れているのです。

けれど、その結果、
言われた相手は困惑することになります。

責めるつもりもなかったのに、
突然責められたり、
頼んでもいないことを恩着せがましく言われたように感じるからです。

あなたにとっては責められているから
自己防衛しているはずが、

相手から見ると、

「いきなり責めてきた人」

になってしまうことも少なくありません。

「大切にされてない感」により人間関係が壊れる理由

「大切にされていない感」が強くなると、
相手が何かをしてくれなかったときに、

「私は後回しにされたのではないか」
「大事にされていないのではないか」

と感じやすくなります。

例えば、
頼んでおいたことを忘れられたり、
話を聞いてもらえなかったりするときです。

本当は、
寂しい、悲しい、わかってほしい、
という気持ちがあるのに、
それをうまく言葉にできず、

不満として出てしまったり、
拗ねた態度になったり、
相手を責める形になってしまうことがあります。

相手からすると、
大切にしていないつもりはなくても、

ひどい人扱いされたり
何をしても責められているように感じてしまうため、
関わること自体に疲れてしまいます。

その結果、
距離を取られたり、
関係がギクシャクしたりして、

「やっぱり私は大切にされていない」

という感覚が、さらに強まってしまうのです。

被害感覚が強いと、思わぬ形で相手を傷つけてしまうことがある

ここまで見てきたように、
被害感覚が強い状態が続くと、

「被害に遭っている」と感じる気持ちから、
思わぬ形で相手を傷つけてしまうことがあります。

本人にとっては、
傷つけられた心の痛みを
伝えているつもりの感覚なのですが、

相手から見ると、
強く責められたり、
感情をぶつけられたりしているように
受け取られてしまうことがあるのです。

その結果、

「攻撃された」
「責められた」
「傷つけられた」

と相手に感じさせてしまい、
立場が逆転したように見えることも起こります。

これは、
性格がきついからでも、
わがままだからでもありません。

それだけ、
人との関係の中で傷ついた経験があり、
もう二度と同じ思いをしたくない、
という気持ちが強く働いている状態なのです。

こうしたやり取りが重なると、
相手は距離を取るようになります。

すると、
「やっぱり私は大切にされない」
「やっぱり人は私を傷つける」

という感覚が、さらに強まっていきます。

この悪循環が、
被害者意識が手放しにくくなる理由の一つです。

つまり、
被害者意識そのものが問題なのではなく、

「被害に遭ったと感じたときの反応」が、
人との距離を広げてしまっている、
ということなのです。

あなたが、
そんなことを望んでいないことも、
これまでの経験から、十分にわかっています。

被害者意識から距離をとるために

被害者意識を感じないようにしようと
無理に頑張る必要はありません。

逆です。
まずは、その感覚をしっかり感じてみましょう。

・これが「やらされる」感なんだな
・今、「責められてる」感じがしてるな
・「大切にされてない」と感じてるな

それも、あなたの大切な感覚です。
そんなふうに感じている自分ごと、
そのまま受け止めてみてください。

そして、それによって起きる反応が
出てきても、責めなくていい。

それは、ほぼ反射なので
今、頭でわかったからと言って
止められるものでもないと思っていいのです。

だからこそ、
「気づく」ことからで十分なのです。

最後に

被害者意識と呼ばれるものは、
あなたの弱さではありません。

それは、
これまでの関係の中で身についた、
身の守り方だった可能性があります。

だからこそ、
責めるよりも、
まず理解することが大切です。

気づいても反応してしまうことは、
一人でどうにかしようとすると、
かえって苦しくなることもあります。

そうした反応は、
信頼できるプロと一緒に見ていくことで、
少しずつ扱いやすくなっていくものです。

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